自動運転がもたらす都心の駐車場価格の下落
トヨタのスマートシティ構想
自動運転の実験は、当然公道で運用する場合は法規制の制限を受けます。
しかし、トヨタのスマートシティは工場跡地であり私有地内です。
この点も各実験においてフレキシブルに対応できるメリットの1つです。
完成後には、2000人程度の居住を予定しており、今後の【トヨタ×生活】のありたい姿を考えるためには最適な環境を整えていると言えます。
今後、日本全体でクルマが自動運転車サービスに置き換えられたら、車を所有することが減ってくるでしょう。
例えば、公共の移動サービスが充実し仕組化されたら、公道で走る車の数が適正になります。
いつでもどこでも、タクシーよりスムーズな乗り物が渋滞なく手配できれば、コインパーキングも今ほど必要なくなります。
そうなると、都心の駐車場価格は下落します。
現在、東京23区内でトップクラスの駐車料金は月に5万弱となっています。
車を持つ人が減り利便性に問題が無ければ、必然的に駐車場の賃料は下がります。
東京日本橋 三井不動産計画
日本橋では、首都高速道路の地下移設が決定しております。
すなわち、高速道路の支柱等が地下に潜るため、その分使える土地も増えるのです。(これも将来的な下落要因の一つ)
三井不動産は周辺に多数の不動産を所有しているので、プロジェクト開発が期待されます。
実際に地下移設には20年程度の期間を要するので、自動運転の法整備や実験なども含めると、良い準備期間になります。
あまり知られてないですが、中国の自動運転の開発は進んでいます。
雄安では、自動運転車だけが地上を走ることが許可されています。
その他の車両が通行する道は、地下計画となっています。
このように、一言で自動運転と言っても都市計画自体を見直す必要があるのです。
カナダのトロント
Sidewalk Labs社という、Googleと近しい企業は、カナダのトロントの港で開発事業をスタートしています。
この再開発では、自動運転車を主な交通手段と想定してプロジェクトが動いています。
少し違った視点で時代の流れを見ていくと、新たな価値が生まれる代わりに衰退するものも表面化します。
都市計画は時間がかかるため、20年〜30年かけて大変化を遂げていきます。
アメリカのポートランド
アメリカのポートランドは、全米で1番住みたい街に選ばれています。
その背景には、1992年の時点から都市の50年後のビジョンを定めて、高齢化対応・コンパクトな街作りを軸に進めてきたのです。
その結果、人々に支持をされ持続可能な成長が続くよう設計されています。
いずれの国も不動産と都市計画の考え方に戦略がありますね。